ビタミンB12の有効性の臨床結果について。
動物性の食べ物に多く含まれるビタミンB12は、葉酸と一緒に血液を造る働きから、貧血を予防する効能があります。
他にも、様々な有効性が臨床結果でわかっていますので、一部を紹介します。
ビタミンB12の必要性
多くの効能を持ち、血液を造るなどの働きや、腰痛や神経痛を緩和し、不眠症の改善や集中力の向上などの効果があるといわれている栄養素です。
これまで様々な臨床試験を実施し、実に多くの有効性が判明しています。
臨床試験は、実際に実験を実施しての結果なので、とても信頼性が高いデータです。
下記より、ビタミンB12の持つ有効性を紹介します。
下記文中の茶色の文字については、(独)国立健康・栄養研究所より引用しています。
循環器・呼吸器
高ホモシステイン血症に有効であることが確認されています。
正常な腎機能の人における高ホモシステイン血症の治療に、経口摂取でおそらく有効と思われる。
末期の腎臓病患者における高ホモシステイン血症の治療に、葉酸と他のビタミンと組み合わせた場合、経口摂取でおそらく有効と思われる。
葉酸、ピリドキシンと併用して経口摂取で、冠動脈血管形成術後の再狭窄を減少させるのに、有効性が示唆されている。
経口摂取で、一般的な麻酔に伴い増加したホモシステインを減少させるのに、有効性が示唆されている。
脳・神経・感覚器
ビタミンB12は、脳や神経に働きかけを行うようです。
ビタミンB12のシアノコバラミンはshaky-leg syndrome(立ち上がるとすぐに足の振動が起こり、歩き出すと止まるという、小脳か脳の失調に起因すると考えられている疾患)に関連する振動を回復させるのに役立つという複数の予備的な知見がある。
心疾患もしくは心疾患リスクのある女性5,205名(平均62.6歳、試験群2,607名)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、1日に葉酸を2.5mg、ビタミンB6を50mg、ビタミンB12を1mg、平均7.3年間摂取させたところ、加齢性黄斑変性の発症リスクが低下したという報告がある。
免疫・がん・炎症
口内炎の治療に役立つようです。
再発性アフタ性口内炎の患者58名(試験群31名、33.1±9.57歳)を対象とした二重盲検無作為化プラセボ比較試験において、ビタミンB12 1,000μg/日をタブレットで舌下から摂取したところ、炎症の期間、潰瘍の数、痛みレベル(NRS)の減少が認められたという報告がある。
その他
中枢神経の維持にかかわるとても重要なビタミンのようです。
筋肉注射か鼻腔内投与で、悪性貧血に対し有効である(66)。シアノコバラミンとハイドロキシコバラミンは筋肉注射で用いられ、シアノコバラミンは鼻腔内投与で使用される。
中枢神経の維持にかかわる。
食事からのビタミンB12欠乏症の予防と治療に経口摂取あるいは筋肉注射か鼻腔内投与で有効である。
家族性の選択的ビタミンB12吸収不良患者(イマースルンド-グラスベック症候群)に対し筋肉注射で有効である。